虫の目転校生の目

転校生・生きづらさ・半端人生の折り返し・ななめの関係

年子は世間では恥ずかしいのか?

僕には年子の弟がいたが、10年前に東京の職場で脳幹出血で倒れ、嫁と子供2人を残して急に逝ってしまった。涙も出ない、ばたばたした葬儀だった。弟は東大卒業のエリート役人だった。子供のころから頭やテストは良かった。

年子というのは世間的に恥ずかしいと見られることがあるようだ。2、3歳差の兄弟を見ると計画的な家庭だとは思う。
年子の弟はあまり丈夫でなく、小学生なのにおねしょしたり、性格が難しかった。妊娠中は頭のほうに栄養が偏ったようだ。親の愛情が分かれた不満はお互いあったかもしれない。
高校のとき、ついに弟に学力で追い抜かれてしまった。僕が浪人した場合、遅れて大学に入るか、就職するか、の選択肢は考えられない。プライドもあるし、弟に遅れた時の周囲の目を恐れていた。僕はとりえず見切り発車で現役で大学に入った。背後から追われる緊張感がいつもあった。この進路で良いのかという葛藤が長く、じっくり将来を考える心の余裕が無かった。世間や回りを気にして、自分のものさしがわからないまま、結局、自信の無い人生が長い回り道になってしまった。弟が死んだ後、緊張やつっかえ棒がはずれ、仕事を止めてしまった。

弟ともう少し年が離れていたり、上に兄か姉、寅さんのような親戚や大人がいれば考えやちがった人間になったかも知れない。転校、引っ越しが多かったので、そういう「ななめの関係」の大人と知り合う機会や発想がなかった。
一流スポーツ選手は弟、妹が多いようだ。
大谷翔平浅田真央とか、下から追い越されたとき、どう精神的に折り合いをつけたのか知りたい。
自分が真面目だったから、そのおかげで東大に行けたのだ。不良な兄だったら勉強できる環境でなかったと前向きに思うことにする。
弟のお陰で、高学歴の人と話をするのは気遅れはない。東大出身の地元自治体の長に要望があり面談する機会があった。頭がきれるから数字や言い訳の切り返しがぽんぽん出るが、本質の問題が理解されずがっかりした。新コロナ対策でも、エリート官僚や政治が近年うまく日本で機能していない理由がわかるようだ。
若いときは少しの遅れに悩むが、この年だと大した問題でなくなる。反面教師として、同じようなことで悩む若い人の話を聞いたり、アドバイスできればいいと思う。